熊野古道中辺路を歩く計画を立てる際、多くの方が悩まれるのが「どこで宿泊するか」です。
滝尻王子から熊野本宮大社までの中辺路ルートは約38km。1泊2日で歩く場合、宿泊地の候補としておすすめなのは「近露」と「野中(継桜王子周辺)」です。 滝尻王子から近露までは約13km、野中までは約17km。できるだけ初日に長い距離を歩いておきたい方には野中がおすすめです。
一方で、初めて熊野古道を歩く方には近露での宿泊をおすすめしています。
その理由の一つは、利便性の高さです。
野中エリアは自然豊かで静かな環境が魅力ですが、宿泊施設の数は限られています。また、周辺にはスーパーや飲食店がほとんどありません。

それに対して近露には複数の宿泊施設があり、小さなスーパーやカフェ、飲食店もあります。食料や飲み物の調達がしやすく、旅の途中で必要なものを揃えることができます。


さらに、中辺路ルートを歩く際は、当日の体調や天候によって計画を変更したくなることもあります。そのような場合、近露はバス路線が充実しているため、一部区間をバスで移動する選択肢を取りやすいという大きなメリットがあります。


また、初日は熊野古道の歩き方に身体を慣らす意味でも、無理をせず近露までの約13kmに抑えることで、翌日以降をより快適に歩くことができます。
歴史ある宿場町・近露
近露の魅力は利便性だけではありません。
平安時代、上皇や貴族たちが熊野本宮大社を目指して歩いた熊野詣において、近露は重要な宿場町でした。当時の巡礼者たちにとって、本宮参拝前夜を過ごす最後の宿泊地でもあります。
長い旅路を歩いてきた巡礼者たちは、この地で疲れを癒やしながら、翌日の熊野本宮大社への参拝に思いを馳せました。また、和歌を詠み交わす歌会や宴が催された記録も残されており、旅の仲間たちと喜びを分かち合う特別な時間が流れていたようです。
現代の私たちも、近露で一夜を過ごすことで、かつての巡礼者たちと同じような気持ちを味わうことができます。

宿でゆっくり食事を楽しみながら、その日歩いた道を振り返る。そして翌日の熊野本宮大社参拝に向けて心を整える。そんな時間もまた、熊野古道の旅の大切な魅力の一つです。
ただ目的地へ向かうだけではなく、1000年以上続く巡礼の歴史に思いを馳せながら過ごす一夜。
近露での宿泊は、熊野古道の旅をより深く、より豊かなものにしてくれることでしょう。

熊野古道中辺路ルートお勧めの宿泊先
🏡 Guesthouse COZY(近露)
滝尻王子から約13km。
熊野本宮大社までの中間地点にあり、翌日のロングコースにも余裕をもって出発できます。
3部屋だけの小さな宿だからこそ、夕食では世界中から集まったハイカーとの交流も旅の思い出になります。
・3部屋のみの小さな宿
・ハイカー同士が交流できる
・手作りの夕食・朝食・お弁当
・一人旅の方も歓迎



