2025年10月1日、14年間閉ざされていた熊野古道・中辺路ルートの一部がついに復旧・開通しました。
今回復旧したのは「仲人茶屋跡~蛇形地蔵」までの区間です。14年前、この道は大型台風の被害を受けて損壊し、長く通行止めとなっていました。私は当時の道を知らないので、これまで歩いたことがあるのは迂回路のみ。その迂回路もなかなかハードな峠越えがあり、景色を楽しめる魅力的なルートでした。

熊野古道は長い歴史の中で、雨風や地震、台風といった自然の猛威にさらされ、崩れたり流されたりしては、新たな道が開かれてきた道でもあります。
ですから「迂回路」とは言っても、それもまた熊野古道の一部であり、新たな歴史を刻む道なのです。

今回、14年ぶりに復旧したルートを歩いてみると、そこは変化に富み、景色が豊かで、どこかスピリチュアルな雰囲気を感じるとても魅力的な道でした。
まず何より、「14年間誰も歩いていなかった道を歩ける」ということに胸が高鳴ります。
踏みしめる道はまだ柔らかく、斜面に沿ってまっすぐに立ち並ぶ杉の木々が美しく、思わず見上げてしまうほど。


杉林の向こうには霧に包まれた峠の風景が広がり、幻想的な世界が広がっていました。
沢沿いを歩けば、せせらぎの音が心地よく響き、湿気の多いこのルートではシダや苔が一面に広がり、鮮やかな緑に包まれます。※夏場はヒル対策が必要ですね。
こうして熊野古道に、またひとつ新たな魅力が加わりました。


写真を撮りながら歩いていると、外国人ハイカーが「あなたを景色に入れて撮ってあげるよ!」と優しく声をかけてくれました。
「ありがとう。でも、美しいものしか撮らないので……」と冗談を返すと、後ろから楽しそうな笑い声が聞こえてきました。
こうした小さな交流も、熊野古道を歩く楽しみのひとつです。


そしてもうひとつのお知らせ。
秋オープンを予定していた「ゲストハウスCOZY」ですが、リフォーム工事が思っていたよりも手間取り、オープンは冬にずれ込むことになりました。
少し先延ばしにはなりますが、より良い形でお迎えできるよう準備を進めています。どうぞ楽しみにお待ちください。


